
1. 「使いやすい」だけじゃ届かない時代へ
UIUXの設計に関わっていて最近よく感じるのは「機能的な正解」だけでは、ユーザーの心に残る体験はつくれないということ。もちろん操作のしやすさ、ナビゲーションの分かりやすさは大前提。でもそれ以上に大事なのは、「触れていて心地いい」「また使いたくなる」と感じてもらえるような“感情に届くデザイン”です。
特に、アプリやサービスが溢れている今、ユーザーが無意識に求めているのは「感情の共鳴」。
その答えのひとつとして注目されているのが、「手書き風インタフェース」です。
2. 手書き風UIがもたらす“人の気配”
手書き風のデザインには、独特のぬくもりがあります。ちょっとラフな線だったり、筆圧の揺れだったり。それだけで、「あ、これ、人が作ったんだな」って感じる不思議な魅力があります。
ある教育系アプリのリニューアルでは、子どもが初めて触る画面に対して「怖くないUIにしたい」という要望がありました。そこで採用したのが、手書き風のボタンや、クレヨンで描いたようなアイコン。
実際にリリース後のユーザーインタビューでは、「優しい印象」「安心感がある」との声が多数寄せられて、狙い通りの感情にリーチできていると感じました。
3. 「感情的デザイン」って、押し付けじゃない
感情的デザインというと、ちょっとセンチメンタルで押しつけがましいイメージを持たれることもあります。でも実際には逆で、ユーザーの感情を“想像して寄り添う”設計なんです。
たとえば、ログインに失敗したときに単に「エラー」と出すだけでは冷たく感じてしまいますが、「うーん、うまくいかなかったみたい。もう一度トライしよっか!」なんて手書き風の文字とゆるいイラストで表示されていたらどうでしょう。
失敗に対する心理的なハードルが、ぐっと下がると思います。
感情的デザインは、言葉や色合いだけじゃなく、トーン・余白・動きなど全体で構成されます。
そしてその中心にあるのが、“共感”です。
4. 「作りこみすぎない」がちょうどいいバランス
手書き風のインタフェースって、実はとっても難しいんです。プロっぽすぎると温かみが消えるし、ラフすぎると雑に見えてしまう。
「作りこまれた“ゆるさ”」を演出するには、かなり計算が要ります。
でも、この絶妙なバランス感こそが、感情的デザインの醍醐味。
「完璧な線を崩す」「文字を少し傾ける」など、意図的に“隙”を作ることで、ユーザーに安心感や親しみを持ってもらえるような工夫になります。
5. 技術と感情は、ちゃんとつながる
昔は「エンジニアはロジック、デザイナーは感性」なんて分けられがちでしたが、今はそんな境界、どんどん曖昧になってきています。
コードを書く立場だからこそ、「どうやったらこのUIがもっと“人の感情に刺さる”か?」という視点を意識する必要があるのだと感じています。
技術だけで動くアプリには、感動が足りない。
でも、感情だけで動くUIには、信頼性がない。
だからこそ、どちらかだけじゃダメなんです。
手書き風インタフェースや感情的デザインは、ユーザーとプロダクトの距離を縮める“やわらかい橋”のような存在です。UIUXは「機能性」から「感情性」へと進化しつつあります。
人の心に届く設計を目指すなら、技術の奥にある“共感”を、もっともっと大事にしていきたいですね。

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