AI技術の進化に伴い、ビジネスの現場ではAIエージェントの導入が急速に広がりつつありますが、
一方で、
「あまりピンとこなくて導入に積極的になれない」
「導入したいけど、何を準備したらいいかわからない」
など、導入したいとは思いつつも、どこか気後れしてしまう方も多いのではないでしょうか?
そんな「いまいちわからないなぁ…」という不安を持たれる方へ、
今回は、AIエージェントについてもう少し具体的にイメージできるように種類や役割にふれた後、
導入のために踏みたいステップや知っておきたいリスクをまとめてみました!
AIエージェントについて種類や各役割を理解し、よりイメージできるようになった上で、
システムの導入に必要な準備と対策を把握し、俯瞰して導入の検討を行えるようになっていただくことです。
ではご一緒に見てゆきましょう!
1. AIエージェントの種類について
AIエージェントはソフトウェアの一つで、
特定のタスクや目的を達成するために設計された自律的なプログラムをもちます。
人間が直接操作せずとも環境の情報を取得し、状況に応じた適切な判断をして、行動を決定します。
この辺りについてわかりやすくまとめた記事がありますので、まだご覧になられていない方は見てみてくださいね。
「AIエージェント」と一言ではいうものの、実はAIエージェントには異なる特徴や役割を持った種類が存在します。これらを用途や目的によって使い分けたり、連携させたりすることで、様々な要件にあったソフトウェアとして構築します。
ここからは、主なAIエージェントの特徴と、
どのような場面でどのエージェントが有効なのかを明確にし、
AIエージェントについての理解をご一緒にもう一歩深めてゆきましょう!
単純反射エージェント
最も基本的といわれるAIエージェントです。
このエージェントは特定の状況に対して即座に反応し、あらかじめ決まった行動を実行します。
例えば、センサーで気温を検知し、一定の温度に達したらエアコンを自動で作動させるシステムがこれにあたります。
高度な意思決定が必要ない場面での簡易的な自動化に最適です。
学習エージェント
データを基に自ら学習してパフォーマンスを向上させるAIエージェントです。
このエージェントは過去の経験や新しいデータから学び、より適切な判断を行うことができます。
たとえば、顧客の過去の購入履歴をもとに、最適な商品を推薦するシステムなどが該当します。
データが豊富に蓄積される業務には非常に効果的です。
目標ベースのエージェント
設定された目標に向けて動作するAIエージェントです。
目標達成のために最適な行動を計画し、実行します。
例えば、物流管理システムにおいて、最短時間で商品を届けるためのルートを計算し、その指示に従って動く配送システムがこれにあたります。
複雑な意思決定を要するシステムに向いています。
モデルベース反射エージェント
外部環境の状況をモデル化し、より複雑な反応を行うことができるAIエージェントです。
具体的には、今の状況に対して未来を予測し、次に取るべき行動を計画します。
たとえば、航空機の自動操縦システムは天候や機械の状態に応じて適切な操作を行います。
動的な環境での高度な制御が必要な場合に有効です。
ユーティリティベースAI
複数の選択肢の中から最も有用な結果を導くAIエージェントです。
これにより、最善の決定を下すために、さまざまなシナリオをシミュレートして、最も効率的な方法を選び出します。
例えば、在庫管理において、コストと在庫量をバランスよく保つ最適な発注タイミングを計算するシステムなどに使用されています。
以上、主なAIエージェントの種類についてでした!
「ふむふむ、業務効率化と併せて話題に上がるAIエージェント、その中身はソフトウェアで、こういうもの(種類)があるのか…これらを組み合わせたり活用することで、業務効率化ができるわけだ!」と、以前よりも少し腑に落ちていただければ幸いです。
活用事例についてはこちらの記事で業界別に簡単にまとめてるので、
もしよければ振り返ってみてくださいね。
2. AIエージェントを導入する前に準備すべきこととは?
「導入しても、業務効率化が進まないと意味がない…」と思われた方もいらっしゃるかと思います。
では、「AIエージェントを活用していこう」という決断を意味のあるものにするためには
何を準備すればいのでしょうか?
ここからはご一緒に、事前に出来ることについて探ってみましょう!
データの整理と管理が最初の一歩
AIエージェントを導入する前に、まず初めに行う準備はデータの整理と管理です。
AIはデータに基づいて動作するため、正確で一貫性のあるデータが必要です。
まずは、必要となるデータが何かを特定し、そのデータの管理状況をみながら、不必要なデータを削除したり、整備したりしましょう。
これにより、AIが適切に学習し、より正確な判断を下せるようにしてゆきましょう。
システムの適応とインフラの確認
次に、AIエージェントをスムーズに動作させるため、現在使用しているシステムや技術的な環境(インフラ)の適合性について確認しておきましょう。
具体的には、以下のような点を確認します。
もし、他社にシステム構築を依頼する際は、この辺りの情報についてヒアリングされるケースも多いかと思います。事前に準備しておくと話しもスムーズに進められそうですね!
社内教育とトレーニングの重要性
AIエージェントを導入しても、実際に使用する社員自身がその活用方法を理解していなければ効果は出にくいことでしょう。実際に、導入したもののなかなか社員に活用してもらえない…という言葉もちらほら聞かれます。そうならないためにも、導入前にはそのAIエージェントを用いたシステムの操作方法についてや、AIに関する基本的な知識やリテラシーに対する社内教育を行うことも大切です。
必要なスキルセットの見直し
導入後、システムを運用・管理していくにあたり、専門的な知識が必要になる場面もあるでしょう。必要時に対応できるように、トレーニングや管理体制を整えておくことも大切です。例えば、IT部門やシステム管理者は、AIシステムのトラブルシューティングやメンテナンスができるようにしておくなど。
もし、他社にシステム構築を依頼する際は、契約時にこちらのサポートについても確認しておくと良いでしょう。
例えば、当社では保守契約を行うことで、システムご納品後もご不明点に対するお問い合わせや、何かあった際の対応などのアフターフォローもお任せいただけます。
これらは各企業や契約によって異なるので、事前に依頼先へ確認しておくと良いと思います!
3. AIエージェントの注意点と対策
AIエージェントの導入には多くのメリットがあるものの、セキュリティ面での不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どのようなリスクがあるのか事前に把握し、適切な対策を講じることで、より安心してAIエージェントを活用できるようになるかと思いますので、この辺りも確認してゆきましょう。
情報漏洩のリスク
AIエージェントの特性上、利用上で私たちが入力した情報からも学習を行います。
つまり、その情報はそのAIシステム上で共有され、他者がAIエージェントを利用した際に、その情報が引用される可能性があるということです。
個人情報や機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
対策: 情報漏洩を防ぐために、学習機能を無効にできるサービスを選び、必要に応じてオプトアウト機能を活用しましょう。
オプトアウト機能はついていないシステムもありますので、完全に自社内のみの閉じた環境を求める場合は、新しく自社内でシステムを作成するのも一つの手段でしょう。
誤った情報(ハルシネーション)やディープフェイクなど誤情報のリスク
AIエージェントは、時に誤った情報や事実と異なる内容を生成することがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。また、生成AIが高精度なディープフェイクや誤情報を作成する可能性もあります。
これらを見過ごしてしまうと、情報の質の低下や、SNSマーケティングでの活用や提案資料の作成など利用する場面によっては企業の評判を損なう恐れがあります。
対策: AIが出力した情報を必ず確認し、専門家のチェックを入れるなどして、誤用を避けるプロセスの導入や、正確性を確認する手順を整えましょう。
権利侵害のリスク
生成AIが出力した文章や画像を商用利用する際、著作権や商標権、肖像権など、他者の権利を侵害する可能性があります。生成されたコンテンツが合法である保証はありません。
対策: AIが生成したコンテンツを商用利用する際は、常に権利確認を行い、他者の著作物を無断で利用しないように気を付けることが大切です。
リテラシー不足による誤用
AIエージェントを利用する従業員のリテラシーが低い場合、誤った情報をそのまま利用したり、機密情報を不用意に入力したりすることで、企業に損害を与えるリスクが高まります。
対策: 従業員向けにAI利用ガイドラインを策定し、リスクを理解した上で安全に利用できるよう教育を徹底することが求められます。
上記の注意点に対して、自社で利用上のルールを明確にしてから導入することで、
「触らぬ神に祟りなし」状態でなかなか利用できない社員にも利用を促し、業務効率化の普及に繋げられそうですね!
4. 自社用システムを構築するメリット
専門的知識はないものの、AIエージェントを活用していくには…と考えた方は、
chatGPTなど既存の生成AIを用いたサービスを利用しようと考える方も多いかと思います。
一方で、このようなオープンソースのAIエージェントを導入する場合には、
先ほど「AIエージェントと対策」で述べたような、
『情報漏洩』など情報の管理面だったり、『自社では使用しにくい仕様』だったり…
といった懸念点が出てくることもあるかと思います。
そこで、自社のニーズに合わせた専用のAIエージェントを活用したシステムを構築するというのはいかがでしょうか?
でも、自社用のシステムを構築するにはそれなりに費用も手間もかかってしまう…
もっと他に、自社でシステムを構築するメリットはなにがあるのでしょうか?
ご一緒に考えてみましょう。
カスタマイズされた権限設定
自社向けに構築するのであれば、社内の業務フローやニーズに応じて、アクセス権限を柔軟に設計できるでしょう。これにより、業務に必要な部門や特定の役職のみにAIエージェントを利用させるなど、細かい権限の設定が可能です。
セキュリティ強化
オープンソースのシステムでは、全世界の利用者が同様のセキュリティプロトコルを利用するため、脆弱性が発生した際に同じ攻撃リスクを抱えます。
しかし、自社向けシステムならば、自社独自の権限管理や認証システムを導入できるため、外部からの攻撃や不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
内部統制の強化
自社向けシステムでは、従業員ごとに個別の操作ログや権限を管理しやすくなります。
万が一の内部不正や誤操作が発生した際でも、迅速に原因を追跡し、対処することが可能です。
これにより、内部統制を強化し、企業全体のセキュリティレベルを向上させることができます。
柔軟な管理・監視体制の構築
自社システムは、自社のセキュリティポリシーに基づいて管理や監視体制を独自に設定できるため、監視の厳格化や定期的なアクセス審査を実施することが可能です。これは、外部ベンダーに依存するシステムにはない利点です。
これらを構築していくには、いうまでもなく専門的な知識が必要になってきます。
他にも考慮するポイントが多いからこそ、開発業者へ依頼するのが無難かと思います。
その際には、先ほどお話ししたアフターフォローや上記のようなセキュリティ面、
実稼働(負荷への対応)を想定したインフラ構築が行えるかなど、
価格だけではなく、実用してくことも考慮して依頼先を選定することで、
長期的なシステム運用に繋がり、より費用対効果が見込めるのではないかな、と思っています。
当社では、お問い合わせいただいた新規のお客様からご依頼をいただき、
要件定義から開発、運用までに至る実績もございます。
もしシステム開発の他社依頼をご検討されているものの、お困りごとや疑問点がございましたら
下記お問い合わせフォームよりご相談くださいね。
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まとめ:知っておきたいAIエージェント事情!業務効率化への道
この記事の大切な部分をまとめます。
最後に
いかがでしたか?
これらシステムやサービスは導入したからといって、いきなり業務が効率化の成果が出るわけではなく、社内育成や仕組みづくりが大切だということもお分かりいただけたのではないでしょうか。
今後導入するかどうかはまだご検討段階かと思いますが、
『もし導入するという決断をした際にどういう観点が必要なのか』について先に把握しておくことで、
少しでも検討のお手伝いになれば幸いです。
尚、当社では新規のお客様へも要件定義から携わらせていただき、各企業様のご要望に沿ったシステム開発を行ってまいりました。
なにかご不明点やご相談などがございましたら、下記お問い合わせフォームよりご相談くださいね。
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今回はこちらまで。
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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