クラウド導入の不安解決!セキュリティ対策 手順

セキュリティ対策

昨今、生成AIによる業務効率化の話題に伴い、システム開発を検討する企業が増えてきたように思います。
「システム開発なんて依頼したことがないのに、失敗しないためにはどうすれば良いんだろう…?」と、少し不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
そのような方へ向けて、以前、開発の進め方についてのガイドを作成しました。もしご興味のある方は以下にリンクを貼っておきますので、ぜひご確認くださいね。
【開発者必見!プロジェクトを成功させるための進め方完全ガイド】まだお読みでない方はこちらへ >>

そして、これから開発を検討されている多くの方はクラウド環境での構築をお考えなのではないでしょうか?

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社員K

オンプレミスではなく、クラウドコンピューティングが主流になってきているけど、
「自社のデータは本当に安全なの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
実際、お話しを聞く中で「社内情報が漏洩しないように…」という声は私たちも必ずと言っていいほど耳にします。

ということで、今回はクラウド環境上でのセキュリティに注目してお話ししてゆきたいと思います!
ご一緒にクラウドセキュリティ対策を再吟味し、その手順について確認してゆきましょう!

この記事を読んでわかること


この記事では、クラウドセキュリティに関する基本的な知識から、クラウド導入時に直面する課題その具体的な対策、さらに実践的な手順までを詳しく解説します。
安心してシステム開発を進めるためのヒントが得られますので、セキュリティ強化の方法を知りたい方はぜひ読み進めてみてくださいね!

クラウドセキュリティの重要性

クラウドセキュリティとは

クラウドセキュリティとは、クラウド環境を選択した際に起こりうるリスクを最小限に抑え、データ、アプリケーション、インフラストラクチャの機密性・完全性・可用性を確保するための技術と運用の総称です。

従来のオンプレミス環境では、データやシステムが企業内部で管理されるため、セキュリティ対策も内部で完結していました。
一方で、クラウド環境は利便性や柔軟性を提供するものの、データやシステムが第三者であるクラウドプロバイダーのデータセンターに置かれることが一般的であるため、オンプレミスにはなかったリスクや課題を持ちます。

クラウド環境で多くの企業が直面する主な課題を3つ挙げるとすると以下のとおりです。

  • データの分散化
    どこにデータが保存されているのか分かりづらく、管理が難しくなる。
  • アクセス権の管理
    従業員や外部委託先のアクセス権限を適切に設定・管理しないと、不正アクセスのリスクの増大に繋がる。
  • セキュリティパッチの適用
    クラウドサービスプロバイダーに依存する部分が多く、自社で管理する際に見落としが生じる恐れがある。

こうした課題を正しく理解し、最適な対策を取ることでクラウド導入後のリスクを軽減できます。
次の章では、改めてこの課題点と解対応策について、具体的にみてゆきましょう。

クラウドセキュリティ上の課題に対する懸念点と対応策

課題1. データの分散化

クラウドでは、データが複数の場所に保存されることが一般的です。この分散化により、データの物理的な保管場所が不明瞭になってしまう恐れもあり、次のような問題が発生する可能性があります。

  • 対応策1:データロケーションを指定する
    クラウドプロバイダーの「リージョン選択」機能を活用し、データ保存先を特定の国や地域に限定します。
  • 具体例:
    AWSやAzureでは「リージョン」を設定する必要があるため、データが自社の規制対象地域内に収まるように設定を行いましょう。
    また、データのバックアップ頻度についてもあらかじめ確認し、ポリシーを設定しておくと良いでしょう。
  • 対応策2:データ暗号化を徹底する
    保存データ(保存時暗号化)やバックアップデータを含め、すべてのデータを暗号化します。これにより、たとえ複製データが分散しても、不正アクセスを防ぎます。
  • 具体例:
    AWS, Azure, Google Cloudなどの主要プロバイダーでは自動的にバックアップデータを暗号化する機能を提供していますので、これらを活用するのも一手段です。

課題2. アクセス権の管理

クラウド環境では、多数のユーザーが異なるデータやシステムにアクセスします。そのため、適切なアクセス権の管理は、セキュリティ対策の中でも特に重要なポイントです。
アクセス権の管理が不十分な場合、次のようなリスクが発生します。

  • 対応策3:最小権限の原則(Principle of Least Privilege)の徹底
    各ユーザーに必要最低限の権限のみを付与できるように、システムを作成する際は予め権限が割り振れるような仕組みづくりを要件として組み込んでおく必要があるでしょう。
  • 具体例:
    AWSではAWS IAM(Identity and Access Management)を活用するなどにより、ポリシーを定義できる仕組み構築が可能となっています。
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社員K

システムを作る上で、「権限わけする機能が欲しい」と要望を伝えていただければ、開発企業からも「では、どのように分けたいのか?」などの質問があると思うので、ご一緒に条件を整理してゆけば良いと思います!当社でも、開発が不慣れな企業様にも寄り添った開発進行を心がけておりますので、安心してお任せいただければと思います。

【システム開発】ご検討されている方はこちらへ >>

課題3. セキュリティパッチの適用

ランサムウェア攻撃という言葉は聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
この攻撃はパッチ未適用の脆弱性を利用しており、サイバー攻撃者は未適用のセキュリティパッチを狙って攻撃を仕掛け、システム停止へと陥れます。

尚、セキュリティパッチとは、ソフトウェアやシステムの脆弱性を修正するために提供される更新プログラムで、既知のセキュリティリスクからシステムを保護する働きをしています。
セキュリティパッチが必要なのはいうまでもありませんが、その際、どういったところに注意しなくてはいけないのでしょうか?

  • 対応策4:適切なタイムスケジューリング
    業務への影響を最小化するため、業務時間外やメンテナンスウィンドウを設定し、パッチ適用を自動的にスケジュールします。
  • 具体例:
    AWS Systems Manager Patch ManagerやWindows Update for Businessを利用し、パッチ適用は深夜や週末に行うなど、実施時間には注意しましょう。
  • 対応策5:自動化ツールを活用し、パッチの適用漏れを防ぐ
    セキュリティパッチ管理ツールを導入し、パッチの適用状況を自動的に監視し、手動作業を最小化しましょう。スケジューリングの際は、定期的にスキャンを実施することも有効的です!
    そうして、見つけた未適用のパッチや脆弱性を特定したら、緊急性が高いものから優先度を付けて対応するように設定し、パッチの適用漏れを防止しましょう。
  • 具体例:
    自動化できる動作の例として、パッチの一覧取得、優先順位設定、自動適用、セキュリティインシデント発生時の通知などを自動化できます。例えばAWSではAmazon CloudWatchや、AWS Security Hub、GuardDutyなどを用いて、これらを自動で行える仕組みを構築します。
    AWSの他にもAzureやGCP(Google Cloud Platform)、サードパーティのセキュリティツールなどもあるので、気になる方は検索してみてくださいね。
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社員K

定期的な脆弱性スキャンによって、セキュリティ上の脆弱性を早期に発見できれば、対策を講じることができますね!
頻度については、クラウドサービスの種類や利用状況によって異なりますが、少なくとも月に一度は実施することが推奨されます。

  • 対応策6:テスト環境での事前検証
    本番環境に適用する前に、テスト環境で互換性の確認を行います。特に、システム更新が複雑な場合は重要です。
  • 具体例:
    サンドボックス環境などの本番環境とは異なる仮想環境を利用して事前にテストを実施したり、本番環境と同様の設定を持つステージング環境で事前確認を行うのが良いとされています。

このようにクラウド環境における課題を理解し、適切な対策を講じることで、セキュリティリスクを最小限に抑えることが可能です。

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社員K

当社ではAWSを用いた開発を主としており、この辺りのセキュリティ面についても、お客様に応じたシステム構築を検討し、ご提案をさせていただいております。
もし開発を進める際に、気になることがございましたら気兼ねなくお尋ねくださいね。

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新しいシステムをクラウド環境で導入する際、セキュリティ対策を計画的かつ段階的に進めることが、トラブルの防止と安心した運用につながります。
一通りのセキュリティ対策をご確認いただいたところで、続いて、これらの導入時に意識すべき点をどのように確認していくか、順を追って確認してみましょう。
ぜひ最後までご確認くださいね!

システム導入時のクラウドセキュリティ対策手順

1. セキュリティ要件を定義する

システム開発における要件の明確化についての重要性は他の記事でも記載してきましたが、セキュリティの観点においてもプロジェクトの初期段階でセキュリティ要件を明確にすることが重要になります。
要件定義がしっかりしていないと、後工程でセキュリティの欠陥が見つかり、修正コストが膨らむ可能性がありますので、以下をあらかじめ確認しておきましょう。

  • データの重要度と保護レベルの決定
    取り扱うデータがどれほど重要かを分析し、それに応じた保護レベルを定義します。例えば、顧客の個人情報は高い暗号化レベルが必要ですが、社内向け資料にはそこまでの保護は必要ない場合があります。
  • コンプライアンス要件の確認
    データの保存場所、指定したデーターセンター(リージョン)などに応じて、適用される規制や法律を把握し、それに準拠する設計を行いましょう。
    例えば、国によっても個人情報の保護法をはじめ、各種法律が違いますよね。金融業界なら PCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)や、医療業界ならHIPAAやHITECH(医療情報のセキュリティやプライバシー保護要件)といった、業界固有のコンプライアンスもあることでしょう。これらに準拠したデータ保存方法や暗号化を行う必要があります。
  • 責任共有モデルを考慮
    クラウドサービスでは、セキュリティにおける責任がクラウドプロバイダーと利用者に分担される「責任共有モデル」が一般的です。プロバイダーの担当範囲と自社の担当範囲を明確化しましょう。例えば、AWSでは、プロバイダーが物理セキュリティを管理し、利用者がアプリケーションやアクセス制御を管理するのが基本となっています。

2. クラウドセキュリティを設計に組み込む

セキュリティを後から付け加えるのではなく、設計段階からセキュリティを考慮する「セキュアバイデザイン(Secure by Design)」を採用することが、堅牢なシステムの構築につながります。

  • アクセス制御とゼロトラストセキュリティの導入
    システムにアクセスできるユーザーを厳密に管理し、不必要な権限を排除します。
    ゼロトラストは「誰も信頼しない」という前提でシステムを設計するセキュリティモデルです。ゼロトラストモデルを採用することで、社内外問わず、信頼できないアクセスを防ぎます。
  • データの暗号化
    保存時・転送時のデータを暗号化することで、万が一データが漏洩しても内容が解読されるリスクを軽減します。先ほど「対応策2」でAWS上では暗号化は自動で行なわれるとしましたが、ここで注意したいのは暗号化キーの安全管理です。AWS KMS(Key Management Service)やAzure Key Vaultを活用することが推奨されます。
  • セキュリティ診断の活用
    クラウド環境では、設計段階からセキュリティ診断を取り入れることが重要です。システム全体のアクセス権限や暗号化設定を定期的に評価し、ベストプラクティスに基づいた修正を行うことで、セキュリティリスクを最小限に抑えられます。例えば、AWS環境では、AWS Trusted Advisorを活用することで、アクセス制御やデータ保護の設定ミスを検出し、具体的な改善提案を受けることが可能です。

3. セキュリティ対策を実装する

設計したセキュリティ要件を具体的に実装し、適切に動作するかを確認します。

  • 自動化ツールの導入
    パッチ適用やログ監視など、手作業では漏れが発生しやすいタスクを自動化することで、効率的かつ確実なセキュリティ運用が可能になります。当社でもAWS Systems Manager Patch Managerなどを活用し、お客様のシステムを守る仕組みを構築しています。
  • セキュリティ監視体制の構築
    運用時の脅威に迅速に対応するため、リアルタイムの監視体制を整えることが重要です。例えば、Amazon CloudWatchやAzure Monitorを使い、システムの異常を早期に検知できるようにするなどです。
  • システムの冗長化とバックアップ
    万が一システム障害やサイバー攻撃が発生しても、復旧可能な設計を施すことが重要です。冗長化については、AWSでは、システムの耐障害性を確保するマルチリージョン配置をが推奨されています。
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社員K

ちなみに当社では、万が一の際の対応として24時間365日の監視体制をご希望のお客様へは、セキュリティ専門企業と連携して対応を行なっております。
特に高度な監視や運用をご必要とされる場合は企業間での連携が必要となりますので、あらかじめご相談ご希望の旨をお申し付けください。

4. 導入後のセキュリティ運用

システム導入後も、セキュリティ運用を継続することが不可欠です。セキュリティ脅威は日々進化しており、導入時の対策だけでは万全とは言えません。
四半期に一度など、定期的にセキュリティ評価を実施し、新たな脅威や脆弱性がないかなど確認を行うことも重要です。
例えば、AWS Security HubやAzure Security Centerで、システム全体のセキュリティ状態をチェックしたり、運用フェーズでもセキュリティは定期的に確認することが推奨されます。

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社員K

当社では、開発後、納品で終わることも可能ですが、運用保守についてサポートをご必要とされている方々のために、別途サポートサービスも行なっております。
多くのお客様がこちらのサービスもご活用いただくことで高くご満足いただけておりますので、開発だけでなくアフターフォローもご要望の方はぜひご相談くださいませ。

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よくある質問と回答

クラウドを使うとセキュリティコストは増えるのでしょうか?

クラウド環境ではセキュリティ機能も含めてサービスとして提供されるため、自社で全てを構築するよりコスト効率が良い場合があります。ただし、導入する機能や監視体制により費用は変動しますので、事前に必要な機能を明確化することが重要です。

自社にセキュリティの専門家がいない場合でも運用できますか?

セキュリティの専門知識がなくても運用可能です。クラウドプロバイダーの提供するツールを活用することで、セキュリティの管理を自動化できます。また、外部の専門家や開発会社に相談することで運用負担を軽減することも可能です。当社でも運用保守のサポートを行っておりますので、ご不安でしたらご依頼前に、ご質問いただければと思います。

クラウドに移行すると内部不正は防げますか?

Aクラウドではアクセス権限を厳密に管理できるため、内部不正のリスクを低減できます。ただし、全てを防ぐことは難しいため、運用ポリシーの策定や従業員教育も並行して行うことが推奨されます。

AWSのアカウントを持っていないのですが、新規作成の必要はありますか?

現状アカウントをお持ちでない場合は、御社でAWSをご契約いただき、そちら上で開発を行うパターンと、当社が代理で契約を行うパターンの2通りをお選びいただけます。後者の場合、月々のAWSランニングコストは当社より別途、ご請求させていただきます。

【その他、ご質問はこちらから】 >>

まとめ:クラウド導入の不安解決!セキュリティ対策&手順

では、この記事の重要ポイントを確認してゆきましょう!

クラウドセキュリティはデータの機密性・完全性・可用性を守るため、リスクと課題を正しく理解し対策を講じることが重要です。
主な課題はデータの分散化、アクセス権の管理、セキュリティパッチ適用で、暗号化や最小権限設定、自動化ツールで対応可能です。
システム設計時にはセキュリティ要件を明確化し、設計段階からセキュリティ診断を取り入れることが推奨されます。
導入後も定期的なセキュリティ評価と監視体制を継続することで、新たな脅威や脆弱性に対応し、安全性を維持できます。

さいごに

こちらまで読んでいただきありがとうございます!
今回はクラウドセキュリティの重要性と具体的な対策を解説してきました。
当社では、AWSを活用した堅牢なセキュリティ設計と、お客様のニーズに合わせた最適なシステム開発を提供しています。万が一の際も専門企業との連携で安心の対応が可能です。セキュリティが気になる方も、ぜひ一度、私たちにご相談くださいね。
お問い合わせフォームはこちらへ >>
貴社の課題解決を全力でサポートさせていただきます。
今回は以上になります。改めて最後までご覧いただきありがとうございました!

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創業以来24年、専門知識が少ないジャンルでもお客様とお話ししながら伴走していくようなスタイルで、必要であればコード解析から行い、最新技術を取り入れながら、お客様のご要望(課題)を限りなく近い形で実現してまいりました。
おかげさまで、様々な業界のシステム開発を任せていただき、月間ユーザー200万人以上のポイントアプリ1000万人規模のシステム開発をはじめ、多数のiOSやAndroidのアプリ開発や規模の大きなシステム開発などの実績を積んでまいりました。
私たちの強みは、安定的な運用や、時代の流れに伴い成長させることができる、インフラ面も考慮したシステム開発を行っている点で、実際にリプレイスを行いながら十数年にわたって運用しているサービスもございます。
 他にも、元々は他社で構築したサービスのリプレイスについても実績はございますので、ぜひ一度、私たちに検討されているシステムについてご相談してみませんか?

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