OSのサポート終了に備える!今すぐできる準備と対策 コラム#45

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1. OSサポート終了はなぜ重要?

OSのサポートが終了すると、セキュリティリスクが急激に高まることになります。サポート期間内のOSには定期的にセキュリティパッチが提供され、発見された脆弱性が修正されます。しかし、サポート終了後は新たな脆弱性が見つかっても修正されることはなく、ハッカーにとって格好の標的になってしまいます。

例えば、Windows XPのサポート終了後には、大規模なマルウェア攻撃「WannaCry」が発生し、多くの企業や病院が被害を受けました。同様に、Windows 7のサポート終了時も、未対応のPCが標的となり、情報漏えいや不正アクセスのリスクが増加しました。

また、新しいソフトウェアやハードウェアとの互換性も問題になります。OSが古くなると、新しいアプリケーションや周辺機器が正常に動作しない可能性があります。業務で使っているソフトウェアが対応しなくなると、生産性の低下や業務停止のリスクもあるため、サポート終了の影響は決して軽視できません。

2. まずはサポート期限を確認しよう

最初のステップとして、現在使用しているOSのサポート期限を正確に把握しましょう。特に、企業や組織で利用している場合は、サポート終了が業務に与える影響を事前に分析することが重要です。
以下のような方法で、OSのサポート期限を確認できます。

Windows
Microsoftの公式ライフサイクルページで各バージョンのサポート期限をチェック
macOS
Appleの公式サイトやサポートページで確認(Appleは通常、最新の3バージョンをサポート)
Linux
ディストリビューションごとに異なるため、公式サイトでLTS(長期サポート版)の終了日を確認(例:Ubuntu LTS版は通常5年間のサポート)

また、OSだけでなく、使用しているアプリケーションや業務システムのサポート状況も併せてチェックし、どの時点でアップグレードが必要か計画を立てることが大切です。

3. OSのアップグレードを検討する

OSのアップグレードが可能なら、できるだけ早く計画を立てて移行を進めるのが理想的です。特に、企業や組織では計画的な移行が必須となります。

OSアップグレードのチェックポイント

アップグレード可能なバージョンを確認(例:Windows 10 → 11、Ubuntu 20.04 → 22.04)
新OSのハードウェア要件を満たしているか確認(メモリやCPUの要件をチェック)
業務アプリやドライバの互換性を事前にテスト
アップグレード前に重要データをバックアップ

特に、Windows 11では「TPM 2.0」や「セキュアブート」などの要件が追加され、古いPCではアップグレードできない場合もあります。その場合は、PCの買い替えも視野に入れる必要があります。

4. アプリやシステムの互換性を確認

OSをアップグレードすると、今まで使っていたソフトウェアや周辺機器が正常に動作しない可能性があります。これを避けるために、事前に互換性テストを行いましょう。
特に、以下のようなケースでは慎重な対応が必要です。

業務システムや専用アプリ
古いバージョンのままでは新OSで動作しない可能性があるため、互換性情報を確認
ドライバの対応
プリンターやスキャナーなどの周辺機器が新OSに対応しているかチェック
カスタムソフト
自社開発のアプリケーションが新OSで正常動作するかテスト環境で検証

もし互換性がない場合、代替ソフトの検討仮想環境を活用して旧OS上で動作させる方法も考えましょう。

5. データのバックアップを忘れずに!

OSアップグレードには想定外のトラブルがつきものです。万が一のデータ消失に備えて、重要なデータは必ずバックアップしておきましょう。

おすすめのバックアップ方法

クラウドストレージ(Google Drive, OneDrive, Dropbox)を活用
外付けHDDやNAS(ネットワークストレージ)に保存
システム全体のバックアップ(イメージバックアップ)を取得

特に、業務PCやサーバーの場合は定期的なバックアップ運用が必須です。

6. どうしても旧OSを使う場合の対策

やむを得ずサポート終了後のOSを使い続ける場合は、セキュリティリスクを最小限に抑える対策を講じる必要があります。

最低限行うべきセキュリティ対策

ネットワークから切り離して利用(スタンドアロンで使用)
ウイルス対策ソフトを導入し、定期的にスキャン
ファイアウォールの強化&アクセス権限を最小限に設定
古いOSを仮想環境で動かし、インターネット接続を制限

特に、業務用PCではネットワークから切り離すことで、外部からの攻撃を防ぐことができます。

7.  企業・組織の場合は早めの移行計画を

企業や組織では、OSのアップグレードを計画的に実施することが重要です。特に、業務システムの移行には時間がかかるため、IT担当者やベンダーと連携して早めに準備を進めましょう。

企業向けの移行ポイント

システム全体のOSサポート状況をリストアップ
業務影響を分析し、段階的に移行計画を作成
ユーザー教育&トレーニングを実施(特に新OSの操作説明)
必要に応じて新しいハードウェアを導入

大規模な組織では、並行運用(旧OSと新OSを同時に稼働)を行いながら、トラブルのないスムーズな移行を目指すのが理想的です。

OSのサポート終了は避けられない問題ですが、事前にしっかり準備しておけばトラブルを回避できます。アップグレードの計画、データのバックアップ、互換性チェックなどを早めに進め、安全な環境を維持しましょう!

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