AWS WAFでDDoS対策を強化する方法 コラム#57

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1. AWS WAFとは?

AWS WAF(Web Application Firewall)は、Webアプリケーションを悪意のあるリクエストから保護するためのサービスです。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といった攻撃だけでなく、DDoS(分散型サービス拒否)攻撃にも対応できます。AWS WAFを適切に設定すれば、トラフィックをフィルタリングし、アプリケーションの可用性を確保できます。

2. DDoS攻撃の種類とAWS WAFの役割

DDoS攻撃には大きく分けて以下の2種類があります。

レイヤー3・4攻撃(ネットワーク・トランスポート層)
例: SYNフラッド、UDPフラッド
→ AWS Shield Standard(無料)やAWS Shield Advancedを活用するのが効果的。
レイヤー7攻撃(アプリケーション層)
例: HTTPフラッド(大量のHTTPリクエストでサーバーを圧倒する攻撃)
→ AWS WAFでリクエストを制御することで防御できる。

3. AWS WAFでDDoS対策を強化する設定

レートベースルールを設定する
1秒間に特定のIPからのリクエストが一定数を超えたらブロックするルールを適用。これにより、HTTPフラッド攻撃を軽減できる。
地理的ブロッキング(GeoIP制限)を活用
特定の国・地域からのアクセスを制限することで、不要なトラフィックを排除。
ボット対策(AWS WAF Bot Control)
AWS WAFのBot Controlを利用すると、悪意のあるボットを特定してブロック可能。
カスタムルールで異常なパターンを検出
例: 特定のUser-Agentを持つリクエストを拒否、パスベースで異常なアクセスを制限。

4. AWS Shieldとの併用で防御を強化

AWS WAFだけでなく、AWS Shieldと組み合わせることで、より強固なDDoS対策が可能です。AWS Shield Standardは無料で提供されており、ネットワークレイヤーの攻撃を自動的に軽減します。より高度な防御を求めるなら、AWS Shield Advancedを導入し、リアルタイムのモニタリングやサポートを受けるのも有効です。

5. ログとモニタリングで異常をすばやく検知

AWS WAFとAmazon CloudWatch Logsを連携し、異常なトラフィックを監視しましょう。また、AWS Firewall Managerを活用すると、複数のアカウントやリージョンにまたがるポリシー管理が可能になります。

AWS WAFは、DDoS攻撃の中でも特にアプリケーション層(レイヤー7)の攻撃に対して有効な対策が可能です。レートベースルールやGeoIP制限、Bot Controlなどの機能を駆使し、AWS Shieldと組み合わせることで、より強固な防御を実現できます。適切な設定と継続的なモニタリングを行い、DDoS攻撃からWebアプリケーションを守りましょう。

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