AWSランニングコストを最小限に抑えたい!最適化する方法とは?

※ 当社ではAWS導入支援を行なっています。
気になる方はこちら>>【AWS設計構築支援】をご確認ください。

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以前、 AWS (Amazon Web Services)サーバーへの移行についての記事を書きました。
今回は同じくAWSの内容ですが、ランニングコスト、つまりシステムを動かしている以上月々にかかってくる費用にについてです。
AWS (Amazon Web Services) は、スケーラビリティと柔軟性に優れたクラウドプラットフォームですが、適切に管理しないとランニングコストが想定以上に膨らんでしまう恐れがあります

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社員K

AWSのコストを最適化したいのに、「AWSのコストが想定以上に高くなってしまった…」という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、AWSのランニングコストの構造を整理し、無駄なコストを削減するための7つの戦略を紹介します。
コストを最適化させることで、その他の本当に必要なリソースへコストかけられるようになり、他のチャンスへ繋げられることもあるかもしれません。
ぜひ最後までご確認くださいね。

この記事を読んでわかること

・AWSのランニングコストの仕組み
・コスト増大の原因と対策
・AWSコスト最適化の7つの戦略

AWSランニングコストの構造と削減の第一歩

 AWS利用料金の構造を理解する

AWSの料金体系は、各サービスの利用状況に応じて課金される 多層構造 になっています。つまり、AWS上でシステムを構築する際に、複数のサービスを利用すると、それぞれの料金体系に基づいた費用が発生し、これらの合計が 運用コスト として請求されます。

主に影響を与えるコスト要素は、以下のようなサービスカテゴリに分類されます。

  • コンピューティング(EC2, Lambda, Fargate)
  • ストレージ(S3, EBS, FSx)
  • データ転送(リージョン間・インターネット)
  • データベース(RDS, DynamoDB, Redshift)
  • 管理・監視ツール(CloudWatch, AWS Config)

AWSのコストを最適化するためには、まず どのサービスにどれだけの費用が発生しているかを正確に把握すること が重要です。
AWS Cost Explorer などの コスト可視化ツール を活用し、現在の支出を分析しましょう。

AWS用語解説:以下、AWSのサービスについて初回記載の場合は緑枠内に簡単な解説を載せておきます。よければ併せてご確認くださいね。

  • EC2(Elastic Compute Cloud) 
    クラウド上で仮想サーバーを提供するサービス。用途に応じたインスタンスタイプの選択、負荷に応じたスケーリングも可能。
  • Lambda
    コードをサーバーレスで実行でき、トラフィックに応じた自動スケーリングが可能。インフラ管理不要でイベント駆動型の処理に最適。
  • Fargate
    コンテナをサーバーレスで実行できるサービス。EC2の管理不要で、必要なリソースのみを使用し、コストも効率的に管理できる。
  • S3(Simple Storage Service)
    耐久性・スケーラビリティに優れたオブジェクトストレージ。アクセス頻度に応じたストレージクラス選択でコスト最適化が可能。
  • EBS(Elastic Block Store)
    EC2向けのブロックストレージ。SSDやHDDを用途に応じて選択可能で、スナップショットによるデータ保護や復元も可能。
  • FSx
    WindowsやLustre向けフルマネージドファイルストレージ。既存のオンプレミス環境との互換性があり、パフォーマンス最適化が可能。
  • RDS(Relational Database Service)
    フルマネージドのリレーショナルデータベースサービス。MySQLやPostgreSQLなどのエンジンをサポートし、運用負荷を軽減。
  • DynamoDB
    スケーラブルなNoSQLデータベース。ミリ秒単位の高速処理が可能で、自動スケーリングにより大量のリクエストにも対応。
  • Redshift
    大規模データの分析処理に特化したDWHサービス。カラムナストレージと並列処理で高速なデータクエリが可能で、BIツールと連携も容易。
  • CloudWatch
    AWSリソースの監視・ログ管理サービス。メトリクスやアラームを設定し、異常な動作やコスト増加をリアルタイムで検知できる。
  • AWS Config
    AWSリソースの設定変更を記録・監視し、コンプライアンス違反や誤設定を検出する。構成の履歴管理や自動修正も可能。
  • AWS Cost Explorer
    AWS利用コストを可視化し、サービスごとの支出を分析可能。コストの傾向を把握し、削減のための最適な施策を立案できる。通信インフラの損傷により、災害時にはAIの機能が制限されるという課題がある。

無駄なコストを削減する第一歩

AWSのコストが予想以上に高くなる主な要因には、以下のようなものがあります。

  • データ転送料の増加(例:リージョン間の通信や外部サービスへのアクセス増加)
  • 不要なリソースの放置(例:使用していないEC2インスタンスやEBSボリュームの継続課金)
  • 過剰なインスタンスタイプの選択(例:本来必要ない高性能インスタンスを利用している)

コスト削減の第一歩として、まず AWSのリソース利用状況を可視化し、無駄なリソースを削除・適正化すること が必要です。
CloudWatch や AWS Trusted Advisor を活用し、 「不要なものを使い続けていないか?」を定期的にチェックすることがおすすめです。

  • EC2(Elastic Compute Cloud)Trusted Advisor
    AWS環境のコスト最適化、セキュリティ、パフォーマンス改善を支援する診断ツール。推奨事項を提示し、リソース管理を効率化。 

コスト最適化のための7つの戦略

AWSのランニングコストを最適化するためには、 無駄なコストを削減し、必要なリソースを効率的に活用すること が重要です。
そこで、以下にコストを最適化しながらパフォーマンスを維持できるような 7つの戦略 をまとめてみました!
ぜひ参考にしてみてください。

その1. インスタンスタイプの最適化:適切なスペックを選ぶ

ワークロードに最適なインスタンスタイプを選択することは、コスト削減の重要な要素です。
過剰なスペックのインスタンスを使用すると、コストの無駄が発生してしまいます。

ポイン💡
 InstanceSelectorで適切なインスタンスサイズを見直そう。
InstanceSelectorでは、ワークロードに最適なインスタンスタイプを簡単に選定できます。例えば、「メモリ重視」「CPUコア数〇個以上」などの条件を指定すると、最適なインスタンスを提案してくれます。
参照元:Amazon ECR Public Gallery > search > aws-ec2 > amazon-ec2-instance-selector 

  • InstanceSelector
    ワークロードに最適なEC2インスタンスタイプを自動選定するツール。CPU、メモリ、コア数などの要件を指定し、最適な選択肢を提案。別途インストールが必要です。

その2. ストレージコストの削減:データの保存方法を最適化

AWSのストレージサービスには、 コストを最適化できるさまざまなオプション があります。
データのアクセス頻度や利用用途に応じて、適切なストレージ階層を選択 することが重要です。

ポイン💡
S3 Intelligent-Tiering を活用しよう。
頻繁にアクセスされないデータは、自動的に低コストのストレージクラスへ移行され、 最大70%のコスト削減 が可能になります。
EBSボリュームの最適化を行おう。
未使用のEBSボリュームを削除し、古いスナップショットを整理することで、ストレージコストを削減 できます。

  • S3 Intelligent-Tiering
    データのアクセス頻度を自動で分析し、最適なストレージ階層へ移行するS3の機能。低アクセスデータのコストを削減しつつ、即時アクセスを維持。

その3. データ転送コストの最適化:通信コストを抑える

AWSでは データの送受信にも料金が発生 します。
特に リージョン間のデータ転送 は高額になりがちなので、無駄を削減することが大切です。

ポイン💡
CloudFront を活用しよう。
静的コンテンツや動画データをCloudFrontにキャッシュすることで、 オリジンサーバーへのデータ転送量を削減 できます。
AWS PrivateLink を利用しよう。
VPC間やAWSサービスとの通信を プライベートネットワーク内で完結 させることで、インターネット経由のデータ転送料を削減できます。

  • CloudFront
    AWSのCDNサービス。エッジロケーションを活用し、コンテンツを低遅延で配信。S3やEC2と連携し、データ転送コスト削減も可能
  • VPC (Virtual Private Cloud)
    仮想プライベートクラウド。
  • AWS PrivateLink
    AWSサービスやリソースと、VPCあるいはオンペレミス間の通信をパブリックインターネットに公開することなく、プライベート接続を提供する。セキュリティとパフォーマンスを向上。

その4. 長期割引プランの適用:長期的な視点でコストを抑える

AWSには、長期的にリソースを利用する場合の割引プラン があります。
リザーブドインスタンス(RI)やSavings Plansを活用すると、 最大72%のコスト削減 が可能です。

ポイン💡
1年以上の利用が確定しているなら「リザーブドインスタンス(RI)」を活用しよう。
特定のインスタンスタイプを予約することで、大幅なコスト削減が可能になります。
柔軟な割引を受けたいなら「Savings Plans」を検討しよう。
RIと違い、インスタンスの種類を固定せずに利用できるため、ワークロードの変動に対応しやすくなります。

  • RI(リザーブドインスタンス)
    EC2の長期利用を前提に、1年または3年契約で割引を受けられるプラン。特定のインスタンスタイプを固定することで、最大72%のコスト削減が可能。
  • Savings Plans
    EC2、Fargate、Lambdaなどの利用料金に対し、一定額をコミットすることで割引を受けられるプラン。インスタンスタイプを固定せず柔軟に適用可能。

その5. リソースの自動調整:リソースの余剰を抑える

AWSでは、 使用量に応じてインスタンス数を自動的に調整する機能(Auto Scaling) を活用することで、 必要な時にだけリソースを増やし、不要な時は削減 できます。

ポイン💡
Auto Scalingを設定して、ピーク時以外のリソースを削減しよう。
例えば、Webアプリケーションのアクセスが少ない夜間に、EC2インスタンスの台数を減らすことができます。
Lambda(サーバーレス)を活用しよう。
負荷が変動しやすい処理には、 必要な時だけ動作するLambdaを利用することで、EC2の維持コストを削減 できます。

  • Auto Scaling
    EC2やFargateのリソースを負荷に応じて自動調整するサービス。ピーク時のパフォーマンスを維持しつつ、アイドル時のリソースを削減してコスト最適化が可能。

その6. 不要なリソースの削除

AWSでは 使用されていないリソースが課金され続ける ケースが多くあります。
定期的に不要なリソースを削除し、コストを最適化しましょう。

ポイン💡
AWS Trusted Advisor を利用して不要なリソースを特定しよう。
Trusted Advisorを使うと、未使用のEC2インスタンスやアタッチされていないEBSボリューム を自動で検出できます。
古いスナップショットや不要なS3バケットを整理しよう。
定期的にストレージを整理することで、無駄なコストを削減 できます。

その7. 継続的なコスト最適化

最適なコストを継続的に維持するためには、定期的なモニタリングと分析をするのがおすすめです。

ポイン💡
CloudWatch でリソースの使用状況をリアルタイムで監視しよう。
CPU使用率やネットワークトラフィックを監視し、不要なリソースの増加を防ぐことができます。
AWS Cost Explorer でコストの内訳を分析しよう。
サービスごとの支出を可視化し、 どこに無駄なコストが発生しているのかを特定 できます。

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社員K

AWSのランニングコストを最適化するためには、 無駄な支出を防ぎ、必要なリソースを効率的に運用すること が重要になると言うことですね。
長期割引を適用するのも一つの手になるので、どのくらいの運用を想定しているかなどの条件も見直しつつ、上記を参考に AWSのコスト削減の第一歩を踏み出せるといいですね!

専門家への相談も検討しよう

以上でさまざまな面からコストの最適化について解説しましたが、正直いざ自身で対応しようと思うと、『対応が難しそう…』と感じられた方も多いのではないでしょうか?
例えば、EC2やDBインスタンスのスペック選びは「CPU〇〇」や「メモリ〇GB」などシステムの規模などいろんな要因によって変化するものなので『判断しづらいな』と感じられる方もいらっしゃるかと思います。
インスタンスのスペックの他にも、スケーリングなどのことも併せて考えないといけなかったり、サーバーレスのほうが適していることに気付けない場合もあったりして、いろんな要素が絡むので難しいですよね。

そんな場合は、AWSの専門家やコンサルタントに相談することも検討しましょう。

当社でも、AWSサーバーを用いたアプリやシステムを多数構築してきた実績があり、AWSの知識がなくても安心してお任せいただけますので、お気軽にご相談くださいね。
【システム開発】ご検討されている方はこちらへ >>

IAJに頼みたい!ここがポイント

  • AWS認定資格を持つ専門エンジニア
    AWSの各種サービスや移行技術に精通したプロフェッショナルが対応。お客様の課題に最適なソリューションを提供します。
  • 豊富な実績と多様なノウハウ、柔軟な対応力
    大手企業様からの案件も数多く、大規模なシステム開発から追加改修など案件規模は幅広く、また業界要件問わず、豊富なプロジェクト経験を持ちます。一貫してサービスをご提供するのではなく、お客様それぞれに寄り添ったサービスをご提案させていただいております。
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    不明点の問い合わせ対応や、使用方法のセミナー、システムの最適化など、お客様の懸念ポイントに応じて、人月単位でのサポートをご提案させていただいております。
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運用保守については「社内のシステム部門で行うので、不要」とされる企業様もいらっしゃり、各企業様によってサポートの度合いや内容が変わってきます。そのため、システム開発と別途お見積もりの上でのご契約となりますので、その後の運用面についても不安な点がございましたら、まずはご相談くださいね。

AWS開発実績が気になる方は以下のリンク先も合わせてご確認ください。
当社の開発事例についてはこちらからご確認ください>>

よくある質問と回答

ここまで読んでいただきありがとうございます!
AWS移行を検討している企業にとって、最初の一歩を踏み出すことは決して簡単ではありません。しかし、その一歩がビジネスの成長を大きく後押しする可能性を秘めています。
最後に、その一歩を踏み出す前に、よくいただく質問について確認して、この記事のまとめへ進みたいと思います。

AWSで一時的に使用するリソースのコストを抑える方法はありますか?

短期間だけ使用する場合、スポットインスタンスを活用することで、オンデマンド料金よりも大幅に安い価格で利用できます。また、必要な時だけリソースを立ち上げるサーバーレスアーキテクチャ(LambdaやFargate)を活用すれば、使用していない時間帯の課金を避けることができます。

AWSのセキュリティ対策とコストの関係は?

セキュリティ対策にはIAMの適切な設定、AWS ShieldやWAFの導入が重要ですが、すべての対策を実施するとコストが嵩むこともあります。例えば、AWS Shield Standardは無料ですが、AWS Shield Advancedを利用すると追加コストが発生します。用途に応じた適切なセキュリティ対策を選ぶことが、コスト最適化につながります。

AWSでコスト管理をチーム全体で行うための方法は?

AWS Organizationsを活用すれば、複数のアカウントをまとめて管理し、部署ごとのコストを可視化できます。また、AWS Budgetsを設定すれば、特定のチームごとに予算を割り当て、超過時にアラートを発することも可能です。これにより、チーム全体でのコスト意識を高めながら、適正な管理ができます。

AWS上で開発を依頼したいが、アカウントを持っていない場合、新規作成の必要はありますか?

お取引先企業にもよるかと思いますが、当社では『①御社でAWSをご契約いただき、そちら上で開発を行う』あるいは、『②当社が代理で契約を行う』の2通りをお選びいただけます。後者の場合、月々のAWSランニングコストは当社より別途、ご請求させていただきます。

AWSの利用コストをリアルタイムで監視する方法はありますか?

AWSでは、CloudWatchとAWS Cost Anomaly Detectionを活用することで、リアルタイムで利用状況を監視できます。これらのツールを設定すれば、想定外のコスト増加を検知し、アラートを受け取ることが可能です。また、予算管理機能を利用して、一定額を超えた際に通知を受け取る設定をするのも有効です。

AWSの柔軟性は、もはや企業の武器の一つとも言えるでしょう。
とはいえ、やはりコストは最小限に抑えたいもの…そんな気持ちを解消することも、成功への第一歩です。
他にも質問があればお気軽にお問い合わせください。
【その他、ご質問はこちらから】 >>

まとめ:AWSランニングコストを最小限に最適化するには?

では、この記事の重要ポイントを確認してゆきましょう!

AWSのランニングコストは、インスタンスタイプやストレージ、データ転送料金の最適化によって削減できるため、まずはコスト構造を理解することが重要です。
ランニングコストを考慮した設計では、自社のワークロードや利用条件も考慮しましょう。ランニングコストを見直す場合は現在の利用状況を正しく把握し、どこにコストがかかっているのかを分析しましょう。
AWSの運用管理やコスト最適化には専門的な知識が必要なため、経験豊富な開発パートナーと連携することで、効率的かつ確実にコスト削減を進めることができます。
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社員K

月々のランニングコストも経費の一部ですよね。削減できれば、その分、新しい事業やプロジェクトに投資しやすくなるところもあるでしょう。新しいチャンスが増えるとも考えられるのではないでしょうか?
そう思うと、システムなどに関しては最適化をどんどん進めてゆきたいですね!
今回は以上になります。
改めて最後までご覧いただきありがとうございました!

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創業以来24年、専門知識が少ないジャンルでもお客様とお話ししながら伴走していくようなスタイルで、必要であればコード解析から行い、最新技術を取り入れながら、お客様のご要望(課題)を限りなく近い形で実現してまいりました。
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 他にも、元々は他社で構築したサービスのリプレイスについても実績はございますので、ぜひ一度、私たちに検討されているシステムについてご相談してみませんか?

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