近年、AIの活用が企業の競争力を大きく左右するようになりました。クラウド環境でのAI導入が主流となっていますが、セキュリティやカスタマイズ性の観点から「オンプレミス環境でAIを運用したい」という声も少なくありません。そこで今回は、オンプレミス環境でAIを導入するメリットとデメリットを解説します。
1. オンプレミスでAIを導入するメリット
(1) データセキュリティが強固
オンプレミス環境なら、データを自社サーバー内に留めることができ、情報漏洩のリスクを抑えられます。特に、金融機関や医療機関のように機密情報を扱う業界では、データをクラウドに出すこと自体が難しいケースもありますよね。その点、オンプレなら自社のポリシーに従って厳格に管理できるため、コンプライアンス面でも安心です。
(2) カスタマイズが自由自在
クラウドのAIサービスは便利ですが、提供されている機能の範囲でしか活用できません。その点、オンプレミスならハードウェアの選定からアルゴリズムの調整まで、すべて自社の要件に合わせて最適化できます。例えば、大量の画像データをリアルタイムで処理するようなAIモデルを構築する際、専用のGPUサーバーを用意してパフォーマンスを最大化することも可能です。
(3) ランニングコストの管理がしやすい
クラウド環境は初期投資が少なく済みますが、長期的に見ると従量課金制のためコストが膨らみやすいという側面があります。一方、オンプレミスは最初にハードウェアを購入する必要がありますが、一度導入すれば長期間にわたって安定したコストで運用できます。計画的に予算を組みたい企業にとっては、オンプレのほうが適している場合もありますね。
2. オンプレミスでAIを導入するデメリット
(1)初期投資が高額
オンプレミス環境でAIを運用するには、GPUやストレージを備えた高性能なサーバーが必要になります。場合によっては数百万円〜数千万円の初期投資が必要になることもあり、中小企業にとっては大きな負担になりがちです。
(2) 運用・保守の手間がかかる
クラウドサービスならベンダーがハードウェアやソフトウェアの管理をしてくれますが、オンプレミスの場合は自社で対応しなければなりません。サーバーの障害対応やAIモデルの更新、セキュリティ対策など、日々のメンテナンス業務が増えるため、専任のエンジニアを確保する必要があります。
(3) スケーラビリティに課題がある
AIの処理負荷は増減が激しいため、クラウドなら必要に応じてリソースを柔軟に増やせますが、オンプレミスではそうはいきません。予想以上に計算リソースが必要になった場合、新たなサーバーを購入するまで時間がかかり、ビジネスの機会損失につながる可能性もあります。
3. オンプレミスとクラウド、どちらを選ぶべきか?
オンプレミスとクラウドにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、企業の目的やリソースに応じて選択するのがベストです。
データセキュリティやカスタマイズ性を重視するなら → オンプレミス
コストを抑えつつスピーディに導入したいなら → クラウド
オンプレミス環境でのAI導入は、セキュリティやカスタマイズ性の面で大きなメリットがありますが、初期投資や運用負担が課題となります。一方で、クラウド環境ならスピーディに導入でき、スケールしやすいものの、データ管理の面で慎重な判断が必要です。
最適な選択は企業の要件によって異なりますが、近年は「ハイブリッドクラウド」のような柔軟な運用も可能になっています。どちらか一方にこだわるのではなく、AIの用途や運用リソースを考慮しながら、最も適した環境を選びましょう。
クラウドだけじゃない!
当社はオンプレミス環境でのサーバ構築の実績も豊富です。セキュリティやカスタマイズ性を重視し、自社運用を考えている方もご安心を。要件に合わせた最適な構成をご提案しますので、「オンプレでAIを導入したい!」という方は、ぜひお気軽にご相談ください!
<<IAJってどんな会社?>>
創業以来24年、専門知識が少ないジャンルでもお客様とお話ししながら伴走していくようなスタイルで、必要であればコード解析から行い、最新技術を取り入れながら、お客様のご要望(課題)を限りなく近い形で実現してまいりました。
おかげさまで、得意ジャンルはこれ、といった特化型な開発会社ではありませんが、 様々な業界のシステム開発を任せていただき、月間ユーザー200万人以上規模のポイント制度を用いたアプリ開発や1000万人規模のシステム開発をはじめ、多数のiOSやAndroidのアプリ開発や規模の大きなシステム開発などの実績を積んでまいりました。
私たちの強みは、実際に今後も時代に沿ってサービスも成長させていけるようなインフラ面も考慮した開発を行っている点で、実際にリプレイスを行いながら十数年にわたって運用しているサービスもございます。
他にも、元々は他社で構築したサービスのリプレイスについても実績はございますので、ぜひ一度、私たちに検討されているシステムについてご相談してみませんか?