「視えるUI」——スマートグラスが拓く空間インタラクションの世界 コラム#151

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1. 空間に溶け込むUIデザインの力

スマートグラスにとって、UI設計の命は「見え方」と「触れ方」の調和です。表示情報が視界に固定され、頭を動かしても追従するように設計されることで、現実との一体感が生まれます。例えば、XReal Air 2 Ultraでは仮想スクリーンが空間に固定され、ユーザーの頭の動きには連動しない設計が施され、高い没入感と安定感を実現しています
こうした空間に溶け込むUIは、利用者が「視線をそらす」間もなく情報を得られる未来の自然な体験へと昇華します。

2. マルチモーダルなインタラクション:自然操作の追求

スマートグラスのUIは、タッチ・音声・視線・ジェスチャーといった多様な操作を融合させることで、直感的かつ柔軟な体験を生み出します。たとえば、Rokid AR Spatialでは視線や音声制御といった自然なインターフェースを備え、軽量化と視覚的・操作的な快適性を両立しています。
さらに、空間インタラクションの未来には、状況や周囲環境に適応するUIも期待されています。アプリがユーザー周辺の物体や人を認識し、最適なインターフェース配置を自動的に調整する「SituationAdapt」のような研究も進んでいます。これは、画面が物理環境に干渉せず、人とのやりとりも邪魔しない柔軟なUIを生む可能性があります。

3. 空間インタラクションがもたらす応用の広がり

空間インタラクションを起点にしたスマートグラスは、ガイドやエンタメだけでなく、認知支援やウェルネスといった分野にも展開が進んでいます。例えば、NavMarkARという高齢者向けのナビシステムでは、ランドマークベースのAR案内により、室内でも位置の把握や経路理解が向上したという成果が出ています。

また、Visuo‑haptic混合現実では、視覚だけでなく触覚も統合した体験により、仮想オブジェクトの操作に対して現実世界のような感覚をもたらす研究も進行中です。見て、触れる体験が同時に発生することで、空間インタラクションの自然さと説得力がより強化されます。

さらに、最近のスマートグラス市場では、Meta×Ray‑BanやSnapやAndroid XRプラットフォームなど、軽量なデザインとAI対応のバーチャル要素を組み合わせたデバイスが増えており、空間インタラクションの普及が現実のものになりつつあります。

スマートグラスのUI設計と空間インタラクションは、新たな情報体験を創り出す革新的な舞台です。視線やジェスチャー、音声といった自然な操作と、状況に応じて変化するインターフェース、さらには視覚と触覚の統合によって、デジタルとリアルがシームレスに融合します。こうした進化は、単なる技術の延長ではなく、私たちの生活そのものをもっと豊かに、もっと直感的に変えてくれるでしょう。

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